ふれあいコンサートⅠ
日程 | 2022年8月20日(土)開演 16:00 |
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会場 | 松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) 車椅子席のご利用ができます。 |
料金 | 一般:¥6,000/U-25:¥3,000 (全席指定) ※U-25チケットは、限定100席で「OMFウェブチケット」のみの取り扱いとなります。 |
公演時間 | 約1時間45分(休憩あり) |
演奏 | ヴェリタス弦楽四重奏団 (ヴァイオリン:岩崎 潤 / 島田 真千子、ヴィオラ:小倉 幸子、チェロ:工藤 すみれ) フルート:セバスチャン・ジャコー |
曲目 | ボッケリーニ:フルート五重奏曲 作品17-1 ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 作品108 ラヴェル(マニヤク編曲):ソナチネ (フルート&弦楽四重奏の編曲版) ラヴェル:弦楽四重奏曲 へ長調 |
演奏
島田真千子さんに「ふれあいコンサートI」についてお伺いしました。
弦楽四重奏のメイン・プログラムに選んだのは、ショスタコーヴィチとラヴェルです。ヴェリタスのメンバーである岩崎潤、小倉幸子、工藤すみれと私の全員で大いに悩んで決めたプログラムで、“ヴェリタスの活動5周年の集大成”という意味も込められています。実は、ヴェリタスは2020年に活動5周年を迎える予定だったのですが、あいにくコロナ禍となり、今年の「ふれあいコンサート」で演奏するのが2019年以来、初めてとなります。そういう流れもあり、自分たちがこれまで創ってきたレパートリーの中から「これは!」という2曲をメインに選びました。
ロシア生まれのショスタコーヴィチは、1960年に2つの弦楽四重奏曲を作曲しました。その年は、不本意ながらも共産党に入党し、且つ、作曲依頼で訪れた旅先のドレスデンで戦争の惨禍を目の当たりにし、ショスタコーヴィチ自身、精神的な荒廃危機に見舞われた年でした。“ファシズムと戦争の犠牲者”に献呈する弦楽四重奏曲を作曲し、戦争への反体制を音楽の中で表現し続けた彼の作品もまた、時代を超えて深くメッセージを伝え続ける音楽です。今年、弾く意味があると思って選びました。
一方ラヴェルの作品は、彼の室内楽作品の中でも特に、オーケストラが凝縮されたような和声感がひろがる作品です。ラヴェルの「ソナチネ」はピアノのために書かれた曲の編曲(編曲:マニヤク)したものですが、ラヴェルの弦楽四重奏曲のミニチュア版のような曲で、まさに弦楽四重奏曲への序曲のような雰囲気を醸し出しています。後半はフルートのセバスチャン・ジャコーと一緒に、ラヴェルの世界にどっぷりと浸って頂けると思います。今年のフェスティバルのオーケストラ コンサートがフランス作品とロシア作品なので、それへのオマージュという意味も込めて、ロシア、フランスの作品を選びました。
一緒に演奏するセバスチャンは、サイトウ・キネン・オーケストラを介して知り合った音楽家です。特にヴェリタスの4人と仲が良く、2015年のカルテット結成時にも一緒に松本にいた仲間です。そのとき、セバスチャンがとても良いカメラを持ってきていて色々なものを撮影していたんですが、我々の宣材写真を撮ってくれたのも、セバスチャンだったんです。記念すべきデビュー・リサイタルのチラシの写真は、セバスチャンが撮影した1枚でした。そういったご縁もあり、大切な音楽仲間の一人ですし、何より素晴らしいフルーティストなので、今回一緒に演奏したいと思って共演してもらうことになりました。
(2022年7月29日 FM長野に島田さんがご出演された際のお話を基に加筆しました)