ふれあいコンサートⅠ
日程 | 2019年8月18日(日)開演 16:00 |
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会場 | ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール) 車椅子席のご利用ができます。 |
料金 | ¥4,500(全席指定) |
公演時間 | 約2時間(休憩あり) |
曲目 |
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 「ラズモフスキー第1番」 Op. 59, No. 1 より ブラームス:弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 Op. 51, No. 1 より ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10 より ハイドン:弦楽四重奏曲第60番 ト長調 Op. 76, No. 1, Hob. III: 75 より エネスク:弦楽八重奏曲 ハ長調 Op. 7 より [弦楽合奏] ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 Op.135 より第3楽章(弦楽合奏版)ほか |
演奏 | 小澤征爾スイス国際アカデミー ほか |
"それは紛れもない「良き音楽」であり、そこにはスパークがあり、マジックがあったのだ。"
―村上春樹
「小澤征爾さんと、音楽について話をする」より。
2011年、小説家の村上春樹さんは小澤征爾スイス国際アカデミーの活動を見るため、活動拠点のスイスまで足を運び、小澤征爾はもとより、講師のパメラ・フランク、今井信子、原田禎夫、そして故ロバート・マンらが若手弦楽奏者たちを指導する姿を目にし、同年に出版された小澤総監督との共著「小澤征爾さんと、音楽について話をする」にまとめられました。
同じことは、小澤さんの指揮する生徒全員のオーケストラについても言えた。それは文字通り一日ごとに求心力を身につけていった。そしてある時点から急に、それまでかかりにくかったエンジンが点火したみたいに、ひとつの共同体としての自律的な動きを見せ始めたのだ。たとえて言うなら、新しい種類の動物がひとつ、無明の世界に誕生したようなものだった。それはどのように手脚を動かし、どのように尻尾を動かし、どのように耳や目や意識を動かせばいいかを、日々具象的に体得していった。最初は戸惑いがあったものの、その動きは日を追うごとにますます自然に優美に、そして実効的になっていった。その動物は、小澤さんがどのような響きを念頭に置き、どのような律動を求めているかを、本能的に理解し始めたようだった。それは調教というのではない。そこにあったのは、「共感」を求めるための特別な種類のコミュニケーションだった。彼らはコミュニケートするという行為そのものの中に、音楽の豊かな意味を、自然な喜びを見出し始めたようだった。
―村上春樹
「小澤征爾さんと、音楽について話をする」より。