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8月17日(土)「小澤征爾総監督 感謝の会」パブリックビューイング詳細決定!

8月17日(土)開催の特別イベント「小澤征爾総監督 感謝の会―その生涯を祝福して―」のパブリックビューイングの詳細が決定しました。松本城二の丸御殿跡広場、信毎メディアガーデン ホールの2会場で開催いたします。
申込不要でどなたでもご参加いただけます。ぜひご来場ください。

日時:8月17日(土)19:00-20:00(予定)
プログラムの詳細は>>>
会場:松本城二の丸御殿跡広場
   信毎メディアガーデン ホール
入場料:無料
申込:不要 直接会場へお越しください。
※松本城二の丸御殿跡広場のみ、雨天中止となります。
中止の場合は、フェスティバル公式ウェブサイト及びSNSにてお知らせします。

2024OMF 小澤征爾の日 - Seiji Ozawa Day - について

前身となるサイトウ・キネン・フェスティバル松本及び現在のセイジ・オザワ 松本フェスティバルの総監督として30年以上にわたり、長野県・松本市の音楽文化を牽引くださいました、小澤総監督の誕生日である9月1日を、2024セイジ・オザワ 松本フェスティバルでは「小澤征爾の日」とし、市民(合唱(大人・児童) 、中学生やフェスティバルバンド等)、小澤征爾音楽塾オーケストラが演奏を行うほか、終演時間に合わせて花火を打ち上げます。
市民・県民が総監督を想い、生誕を祝うことで、築き上げた音楽文化を継承する機会として開催するものです。本公演には、長野県在住の皆さまを無料招待します(※要事前申込)。

【特別イベント】

小澤征爾の日 - Seiji Ozawa Day -

日時:9月1日(日)開演 17:00(開場 16:30)
会場:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)・大ホール
内容:
・市民(合唱(大人・児童) 、中学生やフェスティバルバンド等)による演奏
・小澤征爾音楽塾オーケストラによる演奏
・市民の皆さんと小澤総監督との交流事業等の映像投影
・対談(調整中)
入場料:無料
対象: 長野県在住者
定員:1,000名(応募者多数の場合は、応募期間終了後、抽選にて決定いたします)
申込方法:インターネット申し込み お申し込みはこちらから>>>
申込期間:2024年8月6日(火)10:00~8月16日(金)正午
結果発表:鑑賞者の発表は、「招待券」の発送をもって代えさせていただきます。(発送予定日:8月21日(水))
注意事項:注意事項などはこちらのPDFをご覧ください。

主催:
セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会、
一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団、
松本市国際音楽祭推進団体協議会

お問合せ:セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会 0263-39-0001

明日8月7日(水)は奥志賀高原でOMF室内楽勉強会〜木管アンサンブル〜発表会!

8月7日(水)は、奥志賀高原ホテル 森の音楽堂でOMF室内楽勉強会〜木管アンサンブル〜発表会が開催されます。
OMF室内楽勉強会〜木管アンサンブル〜」* の一環で開催されるもの。
入場無料の公演です。大自然に囲まれた最高の会場で、サイトウ・キネン・オーケストラのプレイヤーらの薫陶を受けた若き音楽家たちの瑞々しい演奏にどうぞご期待ください。

*小澤征爾総監督が信頼を寄せる、サイトウ・キネン・オーケストラのプレイヤーを講師に招き、木管八重奏を主軸にアンサンブルのレッスンを合宿形式で集中的に行うとともに、奥志賀高原と松本市にて行う計2回の発表会で、その成果を披露いたします。

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2024OMF OMF室内楽勉強会〜木管アンサンブル〜 発表会 チラシ.pdf

「オーケストラ コンサート」の交通手段について

◎公共交通機関をご利用ください!
「オーケストラ コンサート」が開催される「キッセイ文化ホール」と同じ敷地に建つ「エア・ウォーターアリーナ松本(松本市総合体育館)」の耐震化及び改修工事に伴い、駐車場の収容台数が大幅に減少してます。
公共交通機関のご利用にご協力をお願いします。
また、以下のとおり、松本駅⇔キッセイ文化ホールの「シャトルバス」を予定していますので、ご利用ください。
なお、松本駅発のシャトルバスは昨年と乗り場が変更となっていますので、ご注意ください。(下記をご確認のうえ、お越しください)

◎シャトルバス
■運行公演
〇8月10日(土)・11日(日)オーケストラ コンサート Aプログラム
〇8月17日(土)オーケストラ コンサート Bプログラム
開演前:<乗り場>ホテル エースイン松本 前(松本駅お城口(東口)より徒歩1分程) 13:00 / 13:15 / 14:00 / 14:15
終演後:<乗り場>キッセイ文化ホール前 17:00から順次運行(松本駅お城口下車)
※最終バスご乗車の場合は18:00まで待機するため、お急ぎの方は最終便より前のバスへご乗車ください。
※バス1台の乗車人数は最大40名で設定いたします。

〇8月16日(金)オーケストラ コンサート Bプログラム
〇8月21日(水)オーケストラ コンサート Cプログラム
開演前:<乗り場>ホテル エースイン松本 前(松本駅お城口(東口)より徒歩1分程) 17:00 / 17:15 / 18:00 / 18:15
終演後:<乗り場>キッセイ文化ホール前 21:00から順次運行(松本駅お城口下車)
※最終バスご乗車の場合は22:00まで待機するため、お急ぎの方は最終便より前のバスへご乗車ください。
※バス1台の乗車人数は最大40名で設定いたします。

〇8月22日(木)オーケストラ コンサート Cプログラム
開演前:<乗り場>ホテル エースイン松本 前(松本駅お城口(東口)より徒歩1分程) 14:00 / 14:15 / 15:00 / 15:15
終演後:<乗り場>キッセイ文化ホール 前 18:00から順次運行(松本駅お城口下車)
※最終バスご乗車の場合は19:00まで待機するため、お急ぎの方は最終便より前のバスへご乗車ください。
※バス1台の乗車人数は最大40名で設定いたします。

※ 開演前<乗り場>が、昨年と変更になっています。
 (昨年)松本駅アルプス口(西口)
   ↓
 (今年)「ホテル エースイン松本」前(松本駅お城口(東口)より徒歩1分程)

■ホテル エースイン松本
松本駅の改札を出て、右手<お城口(東口)>に進み、突き当りのエスカレーターを下ります。エスカレーターを降り、<お城口(東口)>を出て、右手方向に進んでいただくとホテルの横へと続いています。駅前広場に面しており、駅出口からの所要時間は徒歩1分程です。
 https://www.ace-inn.net/location/

■バスチケット販売
松本駅乗車:「ホテル エースイン松本」前の専用窓口でお買い求めください。
キッセイ文化ホール乗車:開演1時間前より、キッセイ文化ホール入口 ロビーの「シャトルバスチケット専用販売窓口」にてチケットを販売(休憩時にも同様に販売)。また、終演後、バスチケットに余りがあれば、バス乗車口付近で販売いたします。

■乗車料金
大人250円(中学生以上)
子ども130円(小学生)
※幼児(1歳~6歳未満)は大人1名につき1名無料。大人1名に幼児2名の場合は子ども料金を適用
※乳児(1歳未満)は無料

■JR松本駅(お城口)出口よりホテル エースイン松本 前への行き方

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■松本バスターミナルよりホテル エースイン松本 前への行き方

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八十二銀行、MIDORI松本にてフェスティバル展開催中!

松本市 大手にある八十二銀行松本営業部ウインドーギャラリーと松本駅直結のショッピングビルMIDORI松本にて、オフィシャルカメラマン大窪道治氏、山田毅氏が撮影したフェスティバルの写真をパネル展示するフェスティバル展(写真展)が開催中です。フェスティバルにご来場の際はぜひご覧ください。フェスティバル期間中には、キッセイ文化ホールでも展示いたします。


■フェスティバル展
八十二銀行松本営業部ウインドーギャラリー、MIDORI 松本
7月16日(火)~9月5日(木)

キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
フェスティバル期間中

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「小澤征爾総監督とサイトウ・キネン・オーケストラ結成40年記念展」松本市立博物館で開催!

齋藤秀雄氏の没後10年の1984年に、教え子の小澤征爾総監督の発案で行われ、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の母体となったメモリアルコンサートから今年で40年を迎えます。これを記念して松本市立博物館ではSKOに関する写真64点や、SKOがリリースしたCDジャケット46点の展示を行います。また、開催期間中に博物館南側のロールスクリーン部分に小澤征爾総監督とSKOをモチーフとした大型看板を設置します。


松本市立博物館(住所:長野県松本市大手3-2-21)
3階展示室前ロビー、南側ロールスクリーン
8月1日(木)〜9月4日(水)
※博物館休館日の都合で毎週火曜日は3階展示室前ロビーの展示は観覧ができません。

入場無料です。
皆さまのお越しをお待ちしています。

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8月3日(土)フェスティバルの到来を告げるオープンイベント「ようこそ 楽都 de ハーモニー」信毎メディアガーデンで開催!

毎年恒例、セイジ・オザワ 松本フェスティバルの到来を告げるオープンイベントの一つ、「お城 de ハーモニー」を、今年は場所を信毎メディアガーデン スクエアに移し、「ようこそ 楽都 de ハーモニー」としてお届けします。SK松本合唱団SK松本ジュニア合唱団による美しく迫力ある歌声をご堪能ください。

暑い中の開催が予想されます、暑さ対策を万全にご来場ください!

◼️歓迎演奏会「ようこそ 楽都 de ハーモニー
8月3日(土)10時30分~12時00分(入場無料)
信毎メディアガーデン スクエア(長野県松本市中央2-20-2)
※雨天時:ホール

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2024OMF ようこそ楽都deハーモニー チラシpdf

2024OMF 小澤征爾総監督 記念事業の開催について

セイジ・オザワ 松本フェスティバル (OMF)の総監督として、30年以上にわたり松本の地をこよなく愛し、「楽都・松本」を発展させていただいた小澤征爾氏の功績に感謝の気持ちを込め、今年のフェスティバルでは、新たに小澤総監督に関連する各種記念事業を開催いたします。
8月17日に「小澤征爾総監督 感謝の会―その生涯を祝福して―」と題し、サイトウ・キネン・オーケストラ出演での特別イベントを行うほか、街中でも、メモリアルフラッグの掲出や、市内各所へのメッセージボードの設置、各公演会場等のライトアップなどで街を挙げて盛り上げます。皆さまのご参加をお待ちしています。

【特別イベント】

小澤征爾総監督 感謝の会―その生涯を祝福して―
Celebration of Seiji’s life

小澤征爾総監督は地元(長野県及び松本市)の皆さんに、常々感謝の気持ちを表していました。この機会に地元OMFから小澤総監督へ感謝の気持ちを表し、できるだけ多くの皆さまと一緒に、その生涯を祝福する時間を共有できるよう「小澤征爾総監督 感謝の会」を開催します。
総監督の音楽の家族、サイトウ・キネン・オーケストラが沖澤のどか(OMF首席客演指揮者)とともに演奏を行うほか、今回特別に編集した映像の上映を行い、改めて小澤征爾総監督と過ごした時間を振り返ります。
本会には、松本市民・長野県民の皆さまを無料招待(※要事前申込)するほか、松本市内の特設会場2ヵ所でパブリックビューイングも行います。パブリックビューイングの詳細は後日公式ウェブサイトに掲載いたします。

日時:8月17日(土)開演 19:00(開場 18:30)
会場:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)・大ホール
出演:サイトウ・キネン・オーケストラ、沖澤のどか(OMF首席客演指揮者)、ほか
司会:有働由美子
入場料:無料
対象: 長野県在住者
定員:1,000名(応募者多数の場合は、応募期間終了後、抽選にて決定いたします)
申込方法:インターネット申し込み お申し込みはこちらから>>>

申込期間:2024年7月24日(水)10:00~7月31日(水)正午
結果発表:鑑賞者の発表は、「招待券」の発送をもって代えさせていただきます。(発送予定日:8月2日(金))
注意事項:注意事項などはこちらのPDFをご覧ください。

主催:公益財団法人サイトウ・キネン財団/セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会
協力:一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団

お問合せ:セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会 0263-39-0001

【オープンイベント】

歓迎吹奏楽パレード・合同演奏会

1992年の第1回より続く、フェスティバルを歓迎する恒例の吹奏楽パレード・合同演奏会。松本市内外の小・中学校、一般の吹奏楽クラブ等が、松本市街地から松本城への約1キロを華やかにパレードし、最後は本城二の丸庭園に集合して、合同演奏会を行います。
今年の合同演奏会はOMF首席客演指揮者の沖澤のどか指揮での演奏に加えて、生前の小澤征爾総監督の映像を大型スクリーンに投影を行います。演奏者・鑑賞者ともに、小澤総監督の往年の姿と音楽に想いを馳せる時間を共有します。

日時:8月18日(日)パレード 9:00~*、合同演奏会 10:30~*
会場:パレード:松本市街地・松本城公園
合同演奏会:国宝松本城二の丸庭園
指揮:沖澤のどか(OMF首席客演指揮者)
雨天時の対応:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)において実施。
*当初発表の開催時間より変更となりました。

【まちなか等で展開予定の事業】

メモリアルフラッグの掲出 [期間:8月4日(日)順次掲出〜9月4日(水)]

フェスティバル期間中の街を彩る、OMFのフラッグ。今年は従来のOMFのイメージカラー(ブルー)のデザインの他、小澤征爾総監督のメモリアルフラッグを3種類作成し、エリア毎異なるデザインで掲出します。

メッセージボードの設置 [期間:8月1日(木)〜9月4日(水)]

松本市民をはじめ、フェスティバルにご来場の方や、観光客の方々が、小澤征爾総監督へのメッセージを寄せるメッセージボードを市内各所に設置します。
場所:松本市美術館、松本市立博物館、信毎メディアガーデン、ほか

OMFロゴ・OMFイメージカラー(ブルー)で各所をライトアップ [期間:8月9日(金)〜9月4日(水)]

場所:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)、まつもと市民芸術館、松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)、松本市立博物館

街なかにクラシック音楽 [期間:8月9日(金)〜9月4日(水)]

松本商店街連盟と連携しフェスティバル期間中街なかでクラシック音楽を流します。

《メディア情報》OMF首席客演指揮者 沖澤のどか 記者懇親会(7/23更新)

セイジ・オザワ 松本フェスティバル史上初の首席客演指揮者に就任した沖澤のどかさん。6月13日(木)出席いただいた記者懇親会の模様が下記のメディアで取り上げられました。一部WEBでもご覧いただけます。ぜひご覧ください!

▪️NHK(6/13)
セイジ・オザワ 松本フェスティバル 沖澤のどかさん意気込み|NHK 長野県のニュース

▪️信濃毎日新聞(6/13, 6/14)
小澤征爾さん亡くなって初のOMFで「最高の演奏を」 首席客演指揮者に就任の沖澤のどかさん 8月に松本市で開幕
小澤征爾さんから「これからもよろしく」、言葉の重みが自分を支える【詳報①】
OMF首席客演指揮者沖澤のどかさん 「涙が止まらなかった」、小澤征爾さんへの思い 今夏公演に向けて語る【詳報②】
OMF首席客演指揮者の沖澤のどかさん 松本市で過ごす時間がキャリアの支えになっている 【詳報③】

▪️東奥日報(6/13)
沖澤さん(青森出身)音楽祭へ意気込み

▪️市民タイムス(6/14, 6/15)
OMF「最高の演奏目指す」 首席客演指揮者・沖澤のどかさん抱負語る
OMF首席客演指揮者の沖澤のどかさん 「松本の街盛り上げたい」

▪️中日新聞(6/14)
<OMF2024>「気負いすぎず最高の演奏を」 首席客演指揮者の沖沢さん

▪️長野朝日放送(6/14)
OMF首席客演指揮者・沖澤のどかさんが抱負

▪️テレビ信州(6/14)
OMF初の首席客演指揮者 沖澤のどかさん「世界で一番いい演奏をする」意気込み

▪️東奥日報(7/10)
「全て小澤征爾にささげる」 OMF首席客演指揮者・沖澤のどかさん(青森出身)/ 長野・松本市で8月開幕

▪️信濃毎日新聞(7/12)
夢のような松本の夏再び セイジ・オザワ松本フェスティバルまで1ヶ月 首席客演指揮者・沖澤のどか「小澤・齋藤先生がのこした物 掘り下げる」

▪️日経新聞(7/23)
指揮者沖澤のどか 松本・青森の夏の音楽祭で相次ぎ活躍

【2024OMF特別寄稿】サイトウ・キネン・オーケストラとブラームス

2024セイジ・オザワ 松本フェスティバルのオーケストラ コンサート BプログラムCプログラムでアンドリス・ネルソンスとサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)が演奏する、ブラームスの交響曲全曲。SKOにとっては、1980年代から始まった初期の海外ツアーでその全曲を取り上げ、草創期にその方向性を決定づけた最も大切なレパートリーであるといっても過言ではありません。その歴史を振り返りつつ、今回初となる全曲演奏への期待を、音楽評論家の東条碩夫氏にご寄稿いただきました。


東条碩夫(音楽評論家)

 アンドリス・ネルソンス氏がサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)を指揮して、ブラームスの交響曲全4曲を連続演奏する。またとないプログラムだ。
 前身の「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」(SKF)時代も含めた「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」(OMF)において、一人の作曲家の全交響曲が単年度の中で連続演奏されるのは、これが初めてになる。そしてまた、ブラームスの交響曲のうち、「第3番」と「第4番」がフェスティバルの中で演奏されるのも、これが最初である。
 そうは言っても、小澤征爾さんとSKOの演奏によるブラームスの交響曲は、4曲ともフィリップス・レーベルからCDで発売されたことがあるではないか? いや、あれはすべて、フェスティバルが発足する以前の録音だったのだ。

**********

 思い起こすのは、1992年の初秋、SKFが華々しく旗揚げされた年のこと。松本駅に降り立ち、駅前広場に出た時に、まず耳に飛び込んで来たのは、広場の中央に立つポールのスピーカーから流れる、小澤&SKOの演奏するブラームスの「第4交響曲」だった。そして見渡す限り、街中に揺れているあのSKFのフラッグ。松本市全体が興奮に沸き立っているような感があった。

 そして夜の長野県松本文化会館では、いよいよ開幕演奏会が行なわれた。即位されて間もない天皇・皇后両陛下(現・上皇ご夫妻)を2階席正面に迎え、小澤&SKOが演奏したのは、委嘱作品である武満徹氏の「セレモニアル」(笙のソロは宮田まゆみさん)と、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」、そしてブラームスの「交響曲第1番」であった。
 あのブラームスでの吹き上がる熱気にあふれた演奏を、どうして忘れられるだろう。それは、内外から参集した腕利きの楽員からなるサイトウ・キネン・オーケストラという楽団の本領を、われわれ日本の聴衆が初めて現実に知った瞬間━━といっていいかもしれなかった。両端楽章での劇的で嵐のような推進力、中間2楽章での瑞々しい活力に富んだ叙情美。技術力の面でも、音楽のパワーと勢いと量感などの面でも、日本のオーケストラとしてはたしかに一頭地を抜いた存在であろう、と筆者は当日の日記に書きこんだ。

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1992サイトウ・キネン・フェスティバル松本
1992年9月5日、13日 長野県松本文化会館(現キッセイ文化ホール)

 SKF/OMFにおける小澤征爾&SKOのレパートリーの中で、ベートーヴェンの交響曲は中心的な存在となっていたが、それ以前に活発に行なわれていた外国への演奏旅行では、むしろブラームスの交響曲のほうが重要な位置を占めていたのである。
 例えば、1987年9月に独、墺、英、仏へ行なわれたツアーでは、「第1番」が取り上げられていた。そして1989年9月のウィーン、ミュンヘンなどへの訪問では「第4番」が選ばれ、この時、1516日にベルリンのイエス・キリスト教会でレコーディングが行われた。
 その後1990年8月のザルツブルク祝祭やロンドンのプロムス音楽祭などへのツアーでは再び「第1番」が演奏され、1415日にベルリンのシャウスピールハウス(現コンツェルトハウス)でCD録音が行われた。また、1991年9月のロンドンやニューヨークへのツアーで取り上げられたのが「第2番」と「第3番」で、その2曲は、オランダのナイメヘンで1820日にレコーディングされている。
 この頃の小澤&SKOは、いずれも火の玉のような勢いに満ちた熱演が特徴で、そのパワフルな演奏は欧州の聴衆を驚かせたと伝えられる。1992年のSKFの記念すべき開幕を飾った「第1番」の快演も、その流れの中にあったと言えよう。

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サイトウ・キネン・オーケストラ ヨーロッパツアー1989
1989年9月11日 ウィーン コンツェルトハウス

 開幕年の「第1番」のあと、SKFのプログラムにブラームスの交響曲が登場したのは、なんとそれから17年も経ってからのことだった。
 その2009年に取り上げられたのは「第2番」だったが、その頃には、小澤&SKOの初期の頃のような猛烈型の演奏はすでに影を潜め、もっとしなやかな、音楽をじっくりと歌い上げるようなアプローチになっていた。第3楽章の弦の歌などには昔ながらの厚い響きが残っていたものの、それももう、ささやくような柔らかい音色の方が際立っていた。第4楽章はまさにSKOの威力を発揮した演奏だったが、かつてのように威圧的な表情になることは、もうなかった。それは、小澤&SKOの変貌をまざまざと感じさせる演奏だったのである。
 この「第2番」が、残念なことに、小澤総監督のもとで、松本で聴けたブラームスの交響曲の最後のものになってしまったことは周知のとおりである。2010年には「第1番」が、2015年と2016年には「第4番」が演奏されると予告されたが、いずれも実現しなかった(2010年は下野竜也さんが指揮している)。小澤さんがもし元気であったなら、必ずや新しいブラームスの交響曲ツィクルスを松本で完成させてくれたであろう。それを思えば、痛恨の極みである。ただ、201012月に行われたカーネギーホール公演では予定通り「第1番」が小澤さんの指揮で演奏され、デッカ・レーベルにライヴ録音もされて発売されたことが、一応の救いであった。

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2010サイトウ・キネン・オーケストラ ニューヨーク公演at JapanNYC
2010年12月18日 カーネギーホール スターン・オーディトリウム

 こうしたSKF/OMFとSKOのブラームス演奏史の中に登場するのが、今年のネルソンス氏の指揮によるツィクルスなのである。一昨年11月に彼が来松して指揮したマーラーの「交響曲第9番」をご記憶の方も多かろう。あの第4楽章、弦楽器群が総力を挙げて演奏した長大な主題における豊麗な和声の美! 
 彼とSKOの相性の良さは充分と思われる。今年のブラームスが、小澤征爾総監督の遺志を継ぐこのフェスティバルの、その新たな輝かしい第一歩となりますように。

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2022セイジ・オザワ 松本フェスティバル
2022年11月25日 キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)

公演写真:
サイトウ・キネン・フェスティバル松本/セイジ・オザワ 松本フェスティバル
大窪道治

関連公演

オーケストラ コンサート Bプログラム

2024年8月16日(金)、17日(土) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
指揮:アンドリス・ネルソンス
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ

オーケストラ コンサート Cプログラム

2024年8月21日(水)、22日(木) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
指揮:アンドリス・ネルソンス
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ