全部で3回にわたる2018OMFオーケストラ コンサートが、9月2日(日)のオーケストラ コンサートCプログラムを持ってすべて終了いたしました!
3公演延べ5695名のお客様にご来場いただいた、OMFのメイン公演。8月最終日に開催されたBプログラム、そして昨日開催されたCプログラム共、大熱狂のうちに幕を閉じました。
小澤征爾と同じく、故 齋藤秀雄先生に師事した秋山和慶が、14年ぶりにSKOと共演したBプログラム。「SKOでやっていない楽曲を」という小澤総監督の意向を受けて、すべてフランス人作曲家の作品でまとめた2時間のプログラムは、約10分に及ぶスタンディングオベーションで幕を閉じました。
前半は短い3つの楽曲がつまった内容で、1曲目のイベール:祝典序曲、2曲目のドビュッシー:牧神の午後が終わるころには、客席はすでにSKOの音色を十分に楽しむ雰囲気でいっぱい。前半の最後に始まったのが、ラヴェル:ボレロ。同じ旋律が楽器を変え、延々続く約15分ですが、クライマックスに向かう盛り上がり方は圧巻の一言。ジャック・ズーンの優しいフルート、リカルド・モラレスの透き通ったクラリネット、フィリップ・トーンドゥルの甘いオーボエ、マッシモ・ラローザの魅惑的なトロンボーンと、一流奏者たちによる素晴らしい演奏が続きます。そして最後は、弦、管、打楽器すべてが合わさったフィナーレへ。大きな拍手が95人のオーケストラ、そして秋山氏へ送られました。
休憩後に待っていたのは、40分の大曲サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調作品78「オルガン付き」。静かな祈りのような旋律から始まり、2楽章が終わるころには大団円を迎え、ご来場頂いた1852人のお客様は、熱烈に出演者たちに感激を伝え、拍手はいつまでも鳴りやみませんでした。
9月2日(日)15時より開演となったオーケストラ コンサートCプログラム"OMF Gig"は、今年のSKO公演を締めくくるにふさわしい、瑞々しい煌めきが溢れたコンサートとなりました。
若干31歳、現在フィラデルフィア管弦楽団の副指揮を務めるケンショウ・ワタナベがタクトを振った最初の曲は、バーンスタイン:《キャンディード》序曲。今年生誕100年を迎えるレナード・バーンスタイン作曲で、勢いがあり、かつ明晰なケンショウの指揮を、SKOが朗らかな音色で応え演奏。日本デビューの1曲目は、大きな拍手で迎えられました。
2曲目は、マーカス・ロバーツ・トリオが加わってのバーンスタイン:「オン・ザ・タウン」より3つのダンスエピソード。小澤征爾総監督の師でもあるバーンスタインらしい、アメリカの活気が伝わるメロディーと、変化に富んだリズムが特徴の1曲。トリオとSKOの熟練の演奏が見事に融合した演奏となりました。
前半最後はディエゴ・マテウスが指揮台に立ち、ガーシュウィン:パリのアメリカ人をお届け。様々な楽器がソロを受け持つこの曲は、多国籍なSKOならではのサウンドが”パリのアメリカ人像”を作り出していました。
後半の最初を飾ったのは、マーカス・ロバーツ・トリオのパフォーマンス。こちらもバーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』から4曲を披露しましたが、ロバーツの合図で始まった音楽はジャズトリオならではの、”もう一つのウエストサイドストーリー”と言わんばかりの、新たな物語を観客の頭の中に描いてくれました。
そして大トリは、ディエゴ・マテウス指揮、マーカス・ロバーツ・トリオ、SKOによるガーシュウィン:アイ・ガット・リズム変奏曲。クラシックとジャズが幸福に融合し、今を共に生きる喜びを会場いっぱいに響きわたらせ、2018OMF最後の公演にふさわしい、大フィナーレとなりました。惜しみない拍手を受けた演奏者たちは、フェスティバルを陰ながら大きく支えて下さってるボランティアスタッフから贈られた長野県花リンドウを振って、「また来年!」と1865名のお客様に応えました。